何だか知りませんけど今私の部屋にどう見てもヲタク的な美少女アニメのDVDが置いてあるんですよ。別にそんなに興味があるってわけでもないんですがご丁寧にも全巻揃ってテーブルの上に積まれてありまして、制服着てますから女子高生でしょうか?流行りのアニメにありがちな目ん玉が異常にデカい女の子のキャラクターがにこやかに微笑んでいるパッケージで如何にもヲタ好みしそうな感じです。
で、タイトルは泣く子も黙るヲタアニメの決定版たる『涼宮ハルヒの憂鬱』なんて書いてあって、いや、待ってください!「キモい」とか「死んで」とか言うのは待ってください!私だって好きでこんなDVDを持ってるわけじゃないんすよ!自分から望んで手に入れたわけじゃないんすよ!
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まぁ私の部屋のド真ん中に涼宮ハルヒの憂鬱という文句ナシのヲタDVDがズラリと並んでいる現状で何を言っても言い逃れにしか聞こえない感じではありますが、何故こんなことになってしまったのかってのを説明しますと私の知人に圧倒的なキモメンでぶっちぎりのヲタクがおりまして、名前は岡田くんと言うんですが不特定の人たちが閲覧するウェブ上で名前を晒してしまうのも問題ですからここでは「Oくん」と表記することにします。その岡田ことOくんがとにかく異論の余地が全くないほどの圧倒的キモヲタで今年に入って肉親とファミレスの店員以外の女性とは話してないというまさしく天下無双の豪傑!もはや生ける伝説ですよ。今年に入ってって言うけどもう今年も終わろうとしてますから。そんな岡田くん…おっと!岡田くんという本名は絶対にバラしてはいけませんね。個人情報を守るのはネチケットですから岡田くんが福岡市南区に住んでいることとかはココでは内緒にしておきます。さらに個人の特定に繋がることが決してないように週末はユニクロで買ったショルダーバッグを下げて赤いママチャリでゲームショップやアニメショップ巡りをしてることもヒミツです。というわけで良識ある私の計らいで上手いこと秘密のベールに包まれた謎だらけの男こと岡田くんですが、コイツのゲームやアニメに対する情熱は物凄いんです。
先日なんて岡田くんから突然電話がかかってきまして、何かと思えば
「おい!スーパーロボット大戦の新作が発売になったけど今ミスターMはどうしてる?」
とか、まるでスーパーロボット大戦の発売日には全人類が何らかのアクションを起こしていることが当たり前だと言わんばかりに話してきやがりますからね。死ね!
「いや、別に何もしてない」
と返すと
「俺はもう買ったけどオマエまだ?まじビビるわ!じゃ、いつ買う?明日?」
なんてまるでスーパーロボット大戦が全人類に欠くことのできないマストアイテムみたいな前提で話してきやがりますからね。死ね!どうやらスーパーロボット大戦てのはガンダムとかエヴァンゲリオンとかのロボが出てきてビームやらミサイルやらで戦うゲームらしいんですけど俺がロボを現実に手に入れたらまず貴様にビームを放つわ。死ね!とりあえず私が興味ゼロなことを説明してやると
「え?何で?だって異なるアニメのキャラ同士が揃って登場するってスパロボだけだぜ?自分の作った主人公キャラを操って敵のロボットと戦うこともできるし!あと現実では明らかに戦闘レベルの違うロボでも同一世界の中でうまくバランス調整されてるから現実の強さに関係なく自分の好きなキャラ使えるのに?」
いやいや、え?何で?じゃねーよ!そもそも現実という言葉の使い方がおかしいんです。我々にとって「現実=自分の生きる世界」で「非現実=アニメの世界」ですが岡田の奴は「現実=アニメの世界」で「非現実=スパロボの世界」ですからそれぞれの次元がひとつズレています。貴様は一体どこの世界の住人なのか?ていうか敵のロボットなんかより自分の生きる現実と戦え!そして死ね!
私だってツルチンの少年時代は人並みにゲームやアニメが好きでした。ファミコン全盛期には他のチビッコたちの例に漏れずゲームにハマりましたし、80?90年代のジャンプ黄金期のマンガにはそこそこ詳しい方だと思います。それに今はファイナルファンタジーとかポケモン等の流行りモノは全然興味ないくせにエロゲの無料体験版は狂ったようにダウンロードしてますからヲタなのかと言われれば間違いなく私はヲタでしょう。しかしながらヲタな私でもスパロボを蒸し暑く語る岡田にはやはり付いていけません。私も彼も同じくヲタなのですが、彼とはヲタとしてのレベルが違う、いや、ジャンルが違うのです。
そういえば昔、岡田から
「ねぇミスターMってガンダムは好き?」
なんて聞かれまして、まぁ其処までドップリ浸かるほど生粋のガンダムヲタではないのですが「萌え上がれ??ガンダムぅ??」ていう歌は知ってますし、大まかなストーリーとネットでチョイチョイと散見される名セリフなんかは大抵把握してましたから
「うん、まぁね。そんなに詳しくないけど」
と適当にサラリと答えました。すると何だか知りませんがガンダムシード?フリーダム?コーデネーター?とかワケわからん話をぶりぶり切り出すんですよね。どうやらガンダムはガンダムでも別シリーズの話みたいで、てっきり私は「アムロ逝きまーす!」ていう方の昭和ガンダムかと思ってたんですがウンコ岡田の言うガンダムってのは最近テレビ放送された平成ガンダム、つまりナウい方のガンダムを指してたみたいです。生憎のこと私はナウいのは全然観たことないので
「いや、俺アムロとかシャアが出てこないのは無理だわ」
「お?ミスターMはファースト派か!流石わかってるな!」
とか岡田のくせにニュータイプに覚醒したとしか思えないような常人には理解しがたい珍言を吐いてきやがります。私がわかってると言うよりナウいガンダムを全然わかってないだけなんで流石もクソもないんですが、ここから完全に「岡田、逝きまーす」的に宇宙へ飛びたってしまったかのような展開になってくるんですよね。
私がガンダム好きってのも「戦ったりしてカッコイイ」「ロボットが出てきて楽しい」なんていうチビッコ心理程度のもんなんですが、ニュータイプ岡田は私をヨソに高らかに持論を繰り広げていきます。それはもうジーク持論!と言わんばかりに。
「ガンダムはそれまでの、例えば対エイリアンとか対侵略者なんていうSFアニメのテーマを覆した傑作だよな!政府軍に対する新興勢力という言わば人間対人間の織り成すドラマ性を盛り込んだという意味でも革命的だし、特に主人公のアムロは従来の完全無欠のヒーロー像とは違う弱さを抱えた点が特徴で物語が進むなかでその弱さを克服してゆくところも素晴らしいしな!そしてライバルのシャアも単なる敵キャラという枠では括りきれない一貫した哲学があって敵ではあっても単純に悪役とは呼べない魅力もあると思うんだ!それに後付けとは言えモビルスーツやその装備にも科学的な設定があってリアルさを演出するのに一役かってるからな!で、ミスターMはガンダムのドコに魅力を感じる?」
「あ、ごめん、やっぱガンダムあんま好きじゃない」
ですからね。もう深さが全然違う!ガンダム愛の渓谷が深すぎて底が見えない!危険すぎて誰も踏み込めない!もはやニュータイプ岡田を前にして軽々しくガンダムが好きだなんて言えなくなる空気ですよ。それにしても冗長な岡田の弁を文字におこすのも大変でしたが一応これでも要点を絞ってますから。実際に横で聞いてたらワンツーパンチで黙らせてやろうかと思うくらい得意気にダラダラ話しやがるんです。でもそんなことしたら「殴ったね!二度もぶった!親父にもぶたれたことないのに!」て返してくるのは疑いないですから彼が熱弁を奮っている間ずっと心の中で「シャア・アズナブルを略したらシャブルってなって何かエロい」などと考えておりました。スマン岡田、正直おまえの話は半分くらいしか聞いてなかったわ。
とまぁ何と言うか随分と話が横路に逸れてしまいましたが、そんな岡田が言うにはガンダムこそ80年代を代表するアニメで90年代だとエヴァンゲリオン、次いで2000年代の、つまり今この時代のナンバー1アニメと言えば間違いなく涼宮ハルヒの憂鬱だとか言いやがるんです。まぁ私は涼宮ハルヒをマトモに観たことはなかったんですがインタネッツの世界のアチコチで見られるSSやMAD等のパロディの元ネタってことで主要キャラや基本的な設定なぞは知ってました。「ただの人間には興味ありません!」「来ないと死刑だから!」てヤツでしょ?知ってますとも。それに加えてハルヒへのオマージュとされる「涼宮ハヒル」とか「涼宮ヒハル」等のエロビデオ、さらに「8665^2(ハルルコのジジョウ)」や「おいしい魔法のとなえかた」等のハルヒのパクリと思われるキャラが登場するエロゲを愛して止まない私ですからちょっとした予備知識はあるわけですよ。いや、ミスターMも岡田のこと言えなくね?岡田ばりにキモくね?とかそんなことはどーでもよくてですね。
ただどうしても解せないのが果てしないほど萌えアニメで揺るぎないほどヲタアニメのハルヒがガンダムと並び称されてるって点です。いやね、ガンダムとエヴァンゲリオンなら解りますよ。ロボが出てきて敵と戦うお話ですから支持層ってのも多分重なるんでしょう。ただその列にハルヒが入り込むとは如何なもんか。女子高生が血を流して戦ったりするんですか?女子高生が変身して必殺技を繰り出したりするんですか?「ただの人間には興味ありません!」「死刑だから!」て言いながら地球上の人間を根絶やしにしたりするんですか?
ヲタクという人種も様々あって、例えば美少女フィギュアが大好きなヲタがいる一方でフィギュア=美少女という一般認識に不満を持ち「フィギュア萌え族と一緒にすんな!」と吼える年寄り臭い城フィギュアや男臭い軍事フィギュアのヲタもいるんです。岡田ってヤツは先述のように私とは畑違いのヲタクで、幼女とのエロ展開、はたまた女子高生との嫌らしシチュなどには一切興味を示さず、戦闘ロボットが登場したり格闘技や魔法を駆使した熱いバトル物を嗜好する非萌えヲタクなんですよ。
そんな岡田がまさかハルヒなんて美少女アニメにハマるってのはおかしなことですから、さすがに童貞歴が長くなると人は誰しも萌えに覚醒してしまうものなのかな?なんて思いました。ええ、さすがミスターMもバリバリの童貞だなとかはどーでもよくてですね。
何か彼によるとハルヒは萌えを越えた面白さがあるみたいで、ガンダム、エヴァ、ハルヒの伝説の三大作品の共通点は主人公が望まずして日常とは違う世界に巻き込まれるコトだとか、じゃあ望まずして異次元空間岡田ワールドに巻き込まれている私も伝説の仲間入りじゃね?ていうかドグサレ岡田も正直に萌えが好きですって認めてよくね?ハルヒは萌えの一面もあるけどそれ以外の魅力もあるんだ!必ずしもハルヒ=萌えではないんだ!と息巻いている彼でしたがいずれにせよ痛いことに変わりはありません。
「ミスターMも勿論ハルヒは観たよな?」
とまたウンコ岡田が自分の基準=世界の基準みたいな、さもこの地球上のあらゆる人間は総じて涼宮ハルヒを観ているに違いないと言わんばかりにに聞いてきやがりますので
「いや、少し知ってるけどキチンと観てはいない」
とありのまま答えたところ、何をどう解釈したのか
「OK!任しとけ!じゃあ今度DVD持ってきてやるよ!」
と、ヲタクって人種はコミュニケーション能力が欠如しているという見事なまでのステレオタイプ的返答でですね。いやいや、観たいなんて一言も言ってないのにこの有り様。まさに超展開。あと「OK!」とか言いながら親指を立てるポーズが極上に気持ち悪い。
というわけで、噂のハルヒのDVDが私の目の前に広がる今に至るんですが、とりあえず内容は正直言って全く面白くないんですよ。爆発もなけりゃ流血もない、バズーカ砲が火を噴いてバタバタ死人が出るような流れを期待したんですがそんなシーン一切ありません。ストーリー展開も理解不能なくらい不可思議で、例えば男女が二人きりで部室にいるのにエロリンパしないってのが有り得ません。物語の舞台が高校なだけに、あんだけ女子高生が出てきたらアナル描写の一つくらいあっても良いはずですがアナルどころかティクビ露出すらありませんからね!何が涼宮ハルヒの憂鬱じゃい!コッチが憂鬱になるわ!
全国のヲタどもがこんな糞アニメを好きになるなんて全く理解できません。私なんか寝る間も惜しんでずっと観てますけど全くハマッてませんもん。さっきから繰り返し繰り返し観てますけど本当にハマッてませんもん。試しにハルヒのファンサイトとか巡回してますけどマジでハマッてませんもん。だいたいね「長門(ハルヒに出てくる女の子キャラ)は俺の嫁」なんていう気持ち悪い輩がワンサカいるみたいですが、正直バカじゃねーかと思うんです。長門がカワイイとか狂ってるとしか思えません。朝比奈みくるちゃん(同じくハルヒに出てくる女の子キャラ)の方が萌えるに決まっているんですよ。死ね!ハルヒ厨ども死ね!あと女の子が同席するカラオケで私ってば勇敢にもハレ晴れユカイ(ハルヒのEDテーマ)とか恋のみくる伝説(みくるちゃんのキャラクターソング)を魂こめて歌ってやったんですが、おかげで空気が凍り付いたわ!死ね!ハルヒ厨ども死ね!
ついでに岡田から借りたDVDも永遠に返してやらない所存ですから。だいたいこんなの持ってるからキモヲタになるんですよ。何度も言うように私がハマッてるってわけじゃないですからね!それ以前に私のハルヒに対する嫌悪の表れかパッケージが無惨な姿になっててとても返せる状態じゃないですもん。具体的に言うと朝比奈みくるちゃんの顔面に私のおちんぽミルクがビッチリこびり付いてますから返すに返せませんもん。
上記から皆さんおわかりのようにハルヒとそれを愛するキモヲタどもに正義の天誅を下したい気持ちでいっぱいの私ですから、ハルヒ関係のフィギュアとか同人とかその他ハルヒグッズを持ってるキモヲタがいたら今すぐに捨ててください。さっさと私宛に送りつけて手元から離してしまいなさい。そんなのは社会の腐敗を生み出す病源に決まってますから、この私が自分自身の肉体を削ってでも処分してあげますよ。具体的に言うとおちんぽミルクで糊付けすることで可動フィギュアの関節部を固定、あるいは同人誌のページを接合して開けない状態にしてやります。我ながら身体(から出るミルク)はった勇気!生命(の源をぶっ)かけた正義!
私だってハルヒにハマッたからこんなこと言ってるわけでは絶対にありませんよ。全然興味なんてないですから。本当に「興味ありません!」ですから。それにこんだけ高らかに宣言しとけば明日からハルヒ関連の萌えグッズが私の家に山ほど送られてくると思います。来ないはずがない。来なきゃおかしい。「来ないと死刑だから!」ですよ。いや、別にハルヒに影響されて劇中の名ゼリフが口癖になってしまったとかではなくてですね。