照りつける太陽!香る潮風!そして電車の中で汗だくのオヤジ!めっきり夏ですね。季節の移り変わりとは気温の変化も勿論ですが、草花の姿形や虫のさえずりなどの視覚や聴覚でも感じとることができるわけでして、他にも夏と言えば体中から生ゴミのような腐敗臭が漂ってくる私は嗅覚によって今年も夏の到来を予感していました。
そんな夏の風物詩には「祭り」「海」そして「一夏の恋」とイロイロありますが「スーパー銭湯」も決して忘れてはなりません。体重85キロで肉ダルマな私ですから夏は特に汗ダルマ、額から激流の滝汗で目が開けられず前が見えません。自らの滝汗で視界が遮られ、腐敗臭で嗅覚が破壊されるとなるとスーパー銭湯に駆け込んで命を取り留める他ないですからね。
そもそもスーパー銭湯の「スーパー」とは何なのかと言いますと、銭湯以外にも軽食がとれたり休憩のスペースが設けられてたり、はたまた入浴後にはマッサージも出来ちゃったりなど入浴だけに限定されない複合施設だぜ!という意味にとるのが定説のようですが、私の見解ではベタな横文字をくっつけることで敢えてハードルを下げ大衆のハートをキャッチする!そして私の体臭もキャッチする!
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という隠された意味があるんじゃないかとも思います。
そんなわけで今夏も早速行ってきました!きらめく出逢いと素敵な恋に彩られた私の夏を探しに近所のスーパー銭湯へ!めくるめくサマータイム・ラブの予感に鼻歌なんぞ歌いつつ、店の入り口から既に全裸と言わんばかりに開放感マル出しで突入です。
入口に銭湯の効能が書いてある看板がズデデンと掛けてあるんですけどリュウマチ、肩こり、冷え症など私には無関係な症状しか書いてありません。奥へ進むと受付のオバチャンが風呂で洗い流してしまった方がいいようなメイクで座っておられまして、期待のサマータイム・ラブには全く効果がない気配がアリアリと感じられます。本来ならバイトのカワイイ女の子が
「お客様!申し訳ございませんが当店では効きません!」
「え?」
「お客様を見た瞬間から私の恋の症状が抑えられなません!体の汗は流せても心のモヤモヤは洗い流せないんです!」
と夏ならではの展開をみせるはずだったのですが、そんな浴場で欲情という淡い期待を完膚なきまでに叩き潰すオバチャンのメイクアップの前に私のハートもノックダウンです。Xーjapanのメンバーみたいなビジュアルショックな顔したオバチャンに券を渡して汗と涙と雑念を洗い流すために湯へとダイブします。
浴槽内では飛沫をあげる怒涛のクロール、そして滝湯に打たれながら座禅を組んで「修行じゃー!」、ついには濡らしたタオルを壁に打ちつけて「アチョー!」などとすっかり風呂を満喫し、そろそろあがろうかと思ったわけですが泡風呂に浸かってたジイチャンがその間ずっと目を閉じたまま1ミリも動かず、湯にダシをとられたかの如く枯れ果てています。私以外にもお客は何人かいたのですがジ
イチャンのいる泡風呂は危険な香りがするから入ってはならないという暗黙の了解みたいなもんができあがってましたからね。どう見ても地獄の釜な泡風呂と精気を吸い取られたようなジイチャンを見ているとゾクゾクと恐怖すら感じます。思わぬ夏の風物詩です。
まぁ私は怪談よりサマータイム・ラブが大切ですから、泡風呂のジイチャンのご冥福をお祈りしつつ湯上がりのギャルたちが待っている喫茶コーナーへと急ぎます。そしたらアレな!ギャルたちはみんな彼氏付きのカップルな!いやいや、男女が別々に入る銭湯にカップルで来るとは冷やかしか!タコヤキでも買おうと並んでたら前のカップルが夏場のハエ並みのウルサさで、しかもタコヤキ焼いてる
のはまたしてもXーjapanなオバチャンです。ハイトーンボイスで荒々しくシャウトするTOSHI!ドラムで激しいビートを刻むYOSHIKI!プレートで焼き上げられたタコヤキを器用にひっくり返すOBACHAN!やはり伝説のロックスターは偉大です。そんなことを泣きながら考えているとバカップルどもが一つのタコヤキ皿に二膳の箸なんぞもらいやがりまして気持ち悪く一緒に食おうってつもりでしょうね。さらにオバチャンも私には「あぁ、あんた箸は一本でいいね」なんて宣いまして、こりゃタコヤキの代わりにオバチャンとバカップルをプレートの上で転がしたい気持ちに駆られますよ。うん、いや、一本でいいんですけどね。そういうわけで夏の醍醐味とは「オネーチャンとセックス」ではなく「オバチャンがエックス」なのです。もう俳句を詠むときは「オバチャン」と「エックス」は夏の季語でいいような気がします。
さて、こちら日本はうだるような毎日ですが暑さで頭がやられて「踊るで、しかし」にワケのワカラン文章を載せるミスターMとかいう輩も出てきたらしいのでNYの皆さんも夏の暑さには気をつけてください。