世界ってのは本当に広いもんです。私が生活している街、私を取り巻く人々、私の知っている私個人の世界なんてものは地球上の全世界のうちのほんの一握りに過ぎません。世界地図の端ッコの国のそのまた端ッコにある片田舎で暮らすちっぽけな私にとって未踏の地や未だ開かれていないアナザワールドへの扉は世の中のそこかしこにマダマダ山のようにあるわけです。お好み焼きにゴハンがついてくるなんて信じられない!ラーメンはトンコツじゃないとダメ!冬場は一週間くらいなら風呂に入らなくても多分大丈夫だと思う!落ちたお菓子でもフーフーしたら大体食える!普段はそんなマイワールドやマイスタンダードの檻の中に閉じこもっていても時には己の殻を突き破ってグローバルスタンダードの荒波の中に身を投じなければならないこともあります。世界へ羽ばたくミスターM、世界を相手に戦うミスターM、世界中の誰よりきっと熱い夢みてるミスターM、目覚めて初めて気付く募る想いウォーウ。
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と、こんなどうしようもないような、部屋の隅にいつの間にか集まってる陰毛くらいどうでもいいような駄文をわざわざ読む熱狂的かつ盲信的ミスターMファンの皆さんならば私が普段からオシャレには人一倍気を遣っているファッショナボゥなボーイ、即ちファッショボーイだということは今更説明する必要がないくらい周知のことだと思いますが、オシャレにおける最も大事なポイントはやはり足元ではないかと思うんです。エリを立てたトレンチコートにハンチング帽、男らしいヒゲを蓄えた口元にパイプをくわえるダンディでシヴすぎるスタイルでも足元が裸足だったら何か嫌でしょ?シャーロックホームズを意識してるのシャーロックホームレスと呼ばれるなんてことは素人にも推理できるわけです。ミニスカにヘソダシのせくしーなお姉さんでも裸足で外を出歩いてたらカワイイと言うよりカワイソウに思えてくるでしょ?露出度の高さがエロとかそういうのとは違うベクトルに向かってコレじゃあいくらヘソが出ていようともにこにこぷんのじゃじゃ丸にしか見えません。
そういうわけで足元を制する者はオシャレを制するとも言えるので私も何かちょっとナウい感じのする靴を買って足元をカッコ良くキメると同時にファッショナボーイとして君臨した地位までも足元から固めようなんて考えてたんですが、如何せん私は足がデカいんです。何と言っても青春時代は自分のチンコのサイズに悩むのと同じくらい足のサイズに悩んでたりするくらいデカい!デカすぎる!このデカさ、晴らさでおくべきか!
勿論近所の靴屋をいくらハシゴしても私のオシャレ心とデカ足をスッポリ受け入れることの出来る素敵シューズなんて一切なく、私の生活圏内、つまり自分の世界を飛び出してグローバルな視点から素敵シューズを探さねばならなくなるんです。海外のショップには日本人離れしたサイズの靴が普通に置いてありますからココで私と世界を繋ぐ便利ツールであるインターネットを駆使するんですけど「デカい」「ビッグサイズ」「靴」なんて検索ワードを入力しつつ、待てよ!これらの検索ワードから「靴」の部分を卑猥な単語に入れ換えるとすげえエロいサイトがヒットするのではッッ!?と足のサイズと同じくらいチンコのサイズを気にしていた青春時代のあの頃の記憶がフラッシュバックしてきます。
最終的に辿り着いたエロサイト、じゃなくてネットショップはボブだかジョージだか知りませんがとってもアメリカンな人たちが営む靴屋さんで、英語がビタ一文も話せない日本人のために山田さんだか鈴木さんだかわかりませんが日本人の運営するショップが間に入って橋渡ししてくれるという海を越えた感動のコラボレーションみたいなトコでした。やはりオシャレに国境はありませんね。
わざわざ現地へ足を運ばずとも足元をオシャレに飾る靴が買える日米の美しき友情にうっすら涙を浮かべながら並み居るオシャレ靴の中でも一番モテそうなロッケンロール魂溢れるハードボイルドっぽい感じの革靴をチョイス、青春時代はチンコの皮に悩んだけど今の俺は革では悩まないぜ!なんてカッコ悪いことをまるでカッコ良いかのような雰囲気で言い放ちながら注文ボタンをクリックし先方からの連絡を待つことにしました。後はお金を振り込みさえすればロッケンシューズが届くはずです。「ヘイ!入金を確認したゼ!キサマのカネとロックスピリッツは確かに俺様が受けとった!あとはピザでも食って寝て待ちな!つぅか俺様のケツの穴にキスして寝な!HAHAHA!」ととってもアメリカンな連絡メールを受け、青春時代からの念願であった私の足がスッポリ入る素敵な靴を手に入れるということは同じく青春時代からの念願であった私のチンコがスッポリ入る素敵な相手も手に入れられるのではないかとハードボイルドかつハードコアなことを考えていた矢先、世界との壁にぶち当たったのです。何かですね、届いた靴を履いてみると踵から爪先までの縦の長さは丁度良いんですけど横幅が殺人的に狭いんですよ。確かにロッケンロールでハードボイルドですから多少の出血は避けられないわけである意味では殺人的な方が正解なんですけど、こりゃあんまりです。世界は広いと思ってたのに靴の幅が狭すぎます。これがグローバルスタンダードなんでしょうか、足の両サイドにかかる圧迫感に世界との壁の厚さを感じずにはいられません。
今回は世界規格に足元を掬われた格好になったため返品も考えましたが返品の送料は私が負担しなければならないようで何だか足元を見られたような気もしてきます。オシャレでモテモテという新しい世界を拡げるために日本を飛び出し世界へと乗り出した私でしたが、元通り狭い自分の世界へ再び舞い戻る結果になってしまいました。靴の幅から察すると世界は狭い!いや、私の世界では考えられないほど狭い靴があるということはやはりそれが全世界の広さを物語っているのだと思います。広い!広すぎる!この広さ、晴らさでおくべきか!