こないだはじめ氏が勝手に『とある芸人の一言』内に投稿フォームを作りやがりまして、まぁPCからココをご覧の皆さんはわかると思うんですけど、意見とか感想とかを送ってもらうアレですよ。投稿フォームから送信されたメッセージは私の携帯に届くようになったわけですが、これがPCではなく携帯に届くという点がミソなんですね。私が何処に居ようとも、皆さんから送られてきたメッセージ(非難や中傷)に迅速に対応できるわけです。「死ね」というありがたいご意見に「すみません」と応えるまでわずか10秒!!
いや、そんなことは別にどうでもいいんです。投稿フォームが設置されてからというもの、いろんなメールが来るわ来るわ。
「ひとみです。今とっても寂しいの」
とか
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「大学生の女です。メールしませんか?」
とか…。これに対して、
「ミスターMです。私もあなた以上に寂しいです。」
「とある芸人です。もちろんメールしますとも。」
なんて返信すれば、彼女たちのハートは奪ったも同然です。もうモテモテですよ。このモテ具合に私はキムタクにでもなったのかと。私ってば平成のキムタクかと。キムタク自体が平成の人のはずだけどイイのかと。ともあれミスターM改めミスターキムの誕生です。キムって何だか韓国人っぽいですが、私はヨン様をはじめとした韓国四天王を越えたイケメンなのです。ツッコミの貴公子キム様です。まさか女の子たちから悲鳴以外でキャーキャー言われることになるなんて。しかしながら私のファン、もとい私の奴隷となった彼女たちから来るメールを最後までよ〜く読んでみると、謎のURLと「キミも今すぐ登録」の文字が……。
なるほど。出会い系サイトからの迷惑メールですね。
いや〜手の込んだコトしてくれますね奴らは。言い寄ってくる女性に見せかけて、モテない男どもを罠にかける巧妙な手口です。私はこんなウンコ並みの汚い手を使うウンコ野郎どもには騙されませんよ。だいたい女性の方が誘ってくるなんてそんな夢みたいなことがあるハズねーっつぅの。私は現実を知っていますから。女性に相手にされず、会話どころか目が合うことすらなく、女友達用としてグループ分けした携帯の電話帳の中には全く登録がありません。恋人たちの記念日的な扱いのクリスマスや誕生日も私にとってはド平日です。これが現実なのです。つまりウンコ野郎とは私のことでもあるのです。ウンコがウンコにウンコみたいなメールを送ってもウンコにしかなりません。ウンコ+ウンコ=デカいウンコなのです。
そんな「迷惑ですのでペットに糞をさせないでください」の看板を立てたい気持ちでいっぱいの私に、またしても迷惑メールと思しき謎のメッセージが届きました。
「はじめまして○山×男です」
明らかに男性から…って、ちょっと待ってください。女性からのメールに反応しなかったからってそれはあんまりです。私にそんな趣味はありません。おすぎとピーコとミスターM?冗談じゃないわよ!そもそも映画でも見ようとレンタルビデオ屋に行ってもいかがわしいビデオのコーナーに釘付けな私は映画評論家のオカマには程遠く、近所のスーパーに売ってる低価格でミステリアスなブランドの全身コーディネートでお洒落をキメる私はファッション評論家のオカマに激辛の批評を浴びてしまいます。とにかく私はオカマじゃないのよ!ということです。
この○山×男と名乗る方から来たメールを恐る恐る開くと「突然のメール失礼します。はじめさんの紹介で……」の文字が!!はじめさんと言えば、この『とある芸人の一言』の管理人で、アメリカ留学中のはじめ氏ではありませんか。確かにアメリカは日本に比べてそういった方面に関して進んでいて、様々な趣味嗜好を持った方たちも数多くいらっしゃるような、何となくですけどそんなイメージです。おすぎとピーコ以上の強者がいてもおかしくありません。そして日本という狭い島国の福岡という僻地に閉じこもる保守的な私に対して、はじめ氏は東京やアメリカに積極的に渡るなど色々と急進的で活発です。お互いに理解しあえる友人だったはじめ氏は何時の間にか私なんかの及ばない悟りの境地にまで達してしまったのでしょうか。そしておすぎとピーコに続いてはじめ氏は何の評論家になってしまったのでしょうか。何処からともなく懐かしいあの曲…レベッカのフレンズが流れてきます。
どぉこでぇ〜♪こぉわれ〜たぁ〜の♪オ〜フレェ〜ンズ♪
私はアメリカという国の広さと遠さを改めて感じながら○山×男氏のメールを読み進めていきました。
「私どものフリーペーパーにミスターM様の作品を掲載したいのですが……」
なぁんだ。どうやら私の勘違いのようです。迷惑メールでも、おすぎとピーコなメールでも何でもありませんね。で?載せてもらえるんですか?私の作品を?フリーペーパーに?いいんですか?本当に?
……あ……ぁありがとぉござぃますぅ〜…。
何と光栄なことでしょう。私が誰かに必要とされているなんて。ウンコだとか下品なことばかり書いている私をこんなにも評価してくださるなんて。若者の間で今流行している言い回しを使ってこの気持ちを表現するならば、ヒデキ!カンゲキ!です。
作品を掲載していただけるという願ってもない申し出に、私の創作意欲も燃えあがります。で、何を書けばいいんでしょうか?
「テキストか四コマ漫画等をよろしいでしょうか?詳細は追って連絡します。」
テキスト、つまり文章ですね。いつもの調子で書けばいいんですかね?こんな小汚い文章でよければ書きましょう。書きますとも。で、もう一つは四コマ漫画ですね。これもいつもの感じで普段通りに描けばいいんでしょ?
いつも描いてる四コマ…
普段描いてる四コマ…
…私の得意な四コマ
…………あああああああああああああああああああああああああああッッ!!
私はこれまで四コマなんて描いたためしがありません。私のマンガと言えばマウスを使ってフリーハンドでテキトーに描いたふにゃふにゃの絵だけです。しかも四コマだと、起承転結で最後にドカーンってオチでしょ?私が描くとなると、絵が下手ってオチが1コマ目に来て、残りの3コマ白紙ですよ。断ろうかどうしようか、四コマだけに少々コマりながらよくよく読むと「テキストか四コマ漫画等…」とあります。「等」とあるんですよ。さらに「詳細は追って…」とのことです。つまり何を載せるかは伏せたままで先に私の了解をとり、後から「等」にあたる無理難題を押し付けるというドッキリ作戦かもしれません。ここで迂闊にイエスなんて言うと大変なことになりそうな予感です。
「詳細が決まりました。交番に全裸で突入してその結果を報告してもらいます」
そんなことしたら獄中からの報告になることは必至です。
「冬眠中のクマの巣穴で打ち上げ花火を上げたらどうなるかのレポートをお願いします。」
無事に帰ってレポートを書けるかどうかが不安です。
「オシャレで効果的な女性の口説き方について5000字程度で」
なんてこと言われたら恐らく5000字ビッシリ使っての謝罪文です。
恐怖に打ち震えながら、一方でビビっていることを悟られては負けだと考えた私は
「お…おまえ何者や?つぅかドコ中学や?オレはK中のミスターMやけどヤるとや?」
と、勇ましく応答。すると
「申し遅れました。私どもはこういう者です。弊社では…」
と、返事が。ん?弊社?何だか大層なお相手のようですよ。友達のいない…いや、K中の一匹狼こと私に対してそちらはギャングチームですか?そしてそのギャング団のアジトとも言えるサイトにアクセスしてみると、素人が片手間に作ったホームページとは一線を画す何だかプロフェッショナル感アリアリの、ちゃんとしてますね的なウェブサイトです。何でもモノスゴい大都会らしいと噂に聞くニューヨークとかいう有名なトコで12000部の日本人向けフリーペーパーを発行しておられるとか。発行部数がK中の全校生徒の人数より多いという事実と、ニューヨークってそんなに日本人がいるのかというショックで泣き出しそうになる私です。私がいくらヤンキーぶっても、ヤンキースの本拠地であるニューヨーク在住のリアルヤンキーに太刀打ち出来るはずがありません。そしてヤンキースと言えばゴジラ松井です。『ゴジラ対ミスターM』なんて映画が公開されることになってもオープニングで瞬殺されます。圧倒的な力の差です。
「ニューヨークのみんな!オラに元気をわけてくれ!」
と○山×男氏が両手を天に翳すと12000人分のデッカい元気玉が出来上がるわけです。一方でこちらのイマイチ元気のない元気玉はせいぜい私とはじめ氏の2人分です。
大変に御無礼仕りました。何とぞ命だけは…命だけはお助けをぉぅ!と泣きつきながらの土下座で礼を欠いた許しを乞い、涙でインクを滲ませながら原稿を執筆することになりました。1500〜2000字でテーマはフリーらしいのですが、これは相当なプレッシャーです。下手なことをすると私のもとへメジャーリーグの豪傑たちが殴り込んできたり、私めがけてゴジラの火炎放射が唸りをあげたり、私どころかK中の校舎全体を飲み込むほどの巨大な元気玉が海を越えて炸裂してきたりするかもしれません。
「普段の連載みたいな感じで」
みたいなことを仰られても普段の連載と言えば、アニメネタ、ゲームネタ、そして下ネタ…などと完全に小学生レベルの作文を書いている私にメジャー舞台での大役が務まるのでしょうか。とりあえず悶絶しながら書き上げた作品が以下に紹介するものです。