あけましておめでとうございます。皆さん無事にお正月を迎えましたか?「やっぱ正月くらいは家でノンビリしなきゃね!」とか言いながら正月に限らず年中ひきこもっているミスターMです。
まぁ年末年始の私と言えば大変に忙しく、それはそれは大車輪の活躍でした。ボーっとしたままコタツに寝転がりテレビのチャンネルを次々に変えながらもそれと並行してスナック菓子をほおばり、なおかつ尻を掻きむしりながら放屁するという多忙な正月の過ごし方で、それ以外の正月らしいことは一切しなかったほどですよ。親戚や知人に新年の挨拶に行くことすら儘なりませんでしたからね。
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正月のテレビは特番ばかりでしたが合間に流れるニュースでは初詣参拝客でごった返す全国の神社の様子が映ってたりで、やはり正月に初詣くらい行っておかねば日本人とは言えないと勝手に日本人を定義しつつ考えた私は、ゆっくりとコタツから起き上がり隣町にある地元では有名な神社に御詣りを決め込むことにしました。
外はかなりの冷え込みのためマフラーを顔全体に巻きつけチョット変わった宗教を信仰している人みたいな出で立ちで出発したその道中、やはり正月シーズンだからでしょうか。神社に近付くにつれてだんだんと行き交う人たちの数が増えていきまして、神社に到着するころにはシャレにならないくらいの人だかりです。地球上にはこれほど多くの人間がいるのかと思うほどの盛況ぶりでハシャぎまわる群集を見ていると暴動でも起こっているかのようです。
「正月早々からこんなトコに群がりやがってオメェらよっぽどヒマなんだな」と正月早々からこんなトコに群がっている私ですら思うようなお祭り騒ぎで、神社の本殿に続く道の途中にあるお土産屋なんかも暴徒化した民衆に襲撃されている店っぽいキケンな騒ぎになってました。タッキーの写真が付いたウチワだとかピカチュウのヌイグルミだとかタレントやキャラクターグッズの正月らしさ皆無の店までモリモリと人が溢れて、ついつい私も流れに乗って柄の部分が柔らかいゴムでできたヌンチャクを購入してしまうというおめでたさです。
明らかにブルース・リーをパクッたと思われる眉毛太めの人が上半身ハダカでアチョーとか言ってる絵のパッケージで、商品名は「カンフーヌンチャク」という本当に行き当たりばったりで思い付きの商品企画会議から生まれたとしか思えないステキなグッズです。購入した際にヌンチャクをビニール袋に入れてもらったのですが人ゴミの中では少々かさばるのと袋からうっすらと透けて見える偽ブルース・リーのイラストがほんのり恥ずかしいという理由で袋と外箱は捨て、ヌンチャクだけを肩からぶら下げることにしました。
参拝に訪れた人たちはみんな混雑の中で人ゴミをかき分けながら歩いていましたが、マフラーで顔を覆い隠しヌンチャクを下げた私の周りだけは何故か人が少なく、進む先々でみんなが道をあけてくれるという不思議なビップ待遇です。こりゃ年始から縁起が良いですね。
とびきりイカした格好のまま本日のメインイベントである賽銭の投入を目指した私でしたが、賽銭箱の置いてある本殿は一層カオスなことになっていました。一歩足を踏み入れると物凄い数の人が集まっていてビップであるはずの私でも全く前に進めません。愚民どもをヌンチャクで蹴散らして進むほかないんじゃないかというくらいの勢いで怒涛の如く人が押し寄せ、流れに抗えないままに見知らぬオジサンたちのグループの間に割って入っているという気まずさ炸裂のポジショニングでひたすら賽銭の順番を待ちます。知らない集団のド真ん中に立ち尽くしていることとあまりの混雑に気分が悪くなりそうな私は身の危険を感じ、もはや一刻もはやく帰って家にひきこもっていたいこと山の如しです。何だか親とはぐれたのか泣き叫んでる子供とかがいましたからね。ちっともおめでたくありません。
慣れない人ゴミにヤキモキしていた私でしたが、賽銭箱は未だ遠くしばらくは待ち続けなければならないようです。はやく帰りたい。しかしココまで来たからには賽銭箱にお金を入れてキチンとお詣りしたい。そこで閃いたのはこの場から賽銭をバスケのスリーポイントシュート的に遠投で入れるという神をも恐れぬ罰当たりなアイデアです。とは言ってもかなりの距離がありますから全力で振りかぶってトルネード投方で挑むしかないでしょう。魂を託した賽銭を力いっぱい握りしめ、近くの人に肘をぶつけながらのモーションでブン投げてみました。飛距離は充分でグングンと賽銭の起動は伸びていきます。私の一年を左右する賽銭が無事に賽銭箱に命中し良い年を過ごせると思ったのも束の間、方向が若干ズレたようで私の想いを乗せた五円玉は斜め前方の参拝者の渦の中に消えていきました。
結局ヌンチャクを買っただけという全く詣っていない初詣でした。このままだと神様に見捨てられないか一年中心配です。こんな私を今年も暖かく見守ってください。