思ったんですけど、アレですね。
最近ズッコケって見ないですよね。
ボケに対するリアクションで
「ズコー!!」
とか
「ガクーン!!」
とかのアレですよ。
ちょっと前まで結構あったと思うんですけど。
でもズッコケって日常でやるとなると、ちょっとワザとらしくなりがちですよね。
「ここで笑いが欲しい!」
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ていう発信者側の狙いが露骨になりすぎて、身構えてしまうというか、一歩退いてしまうというか、興醒めしてしまうというか。
実際うまくやるには、タイミングも勢いも揃ってないといけないわけで、かなりの技術を要すると思うんですよ。
で、そのタイミングと勢いを自在に操れる媒体っていうのが実は漫画なんですね。
時間の流れは著者が自由に制御できますし、勢いの点も、線をいっぱい描いたり「ガシャーン!!」とか派手な擬音つけたりなんかして、そのへんはいくらでも操作できますからね。
大袈裟に描くことが漫画の醍醐味みたいなとこもありますし。
恐らくそんな理由でギャグ漫画の中で、細々と生きていたズッコケですが、ここのところ、リアル世界を追放され最後の砦であった漫画の中にも、めっきり姿を現さなくなりました。
やはり時代の流れってやつですかね。で、思うわけですよ。
今、リアルでズッコケたら逆に新鮮じゃないかと。
ポイントは露骨になりすぎず、かつ躊躇せずサラリとやってのけることです。
サラリとですよ。クールな感じ。紳士的に振る舞うことで、ズッコケとのギャップを演出ですよ。
そーですね。例えばシルクハットにステッキみたいな出で立ちで。
で、誰かがトボケたこと言うと……
「ツル~ン」
とやるわけですよ。
片足で地面を高く蹴りあげて、逆上がりの要領で。
その時にステッキも横滑りさせつつ、シルクハットもズレたりなんかして。
以上を完璧にやりきるとして、気になるのはオーディエンス(その場にいる人)のおもしろ精神に対するキャパです。
こればっかりは自分のスキルではどうにもなりませんね。
しかしながら、そんなことを気にしてたら未来永劫ズッコケなんて出来はしません。
やっぱ最大の鍵は、小手先の技術やアイデアじゃないんです。
勇気ですよ。勇気。
勇気こそ基本にして極意。空手で言うところの正拳突きみたいな。
スベッてケガすることを恐れない勇気。時代に抗う勇気。
そう考えるとズッコケって最高にかっこよくありません?